【英検2級】高校生の勉強法!中学英語からのやり直しにおすすめの本と参考書!
英検3級レベルが半分もわからない、高校3年生が英検2級を受けたい!ということで、その指導を請け負いました。
リスニング力を急速強化する指導法と勉強法を御紹介します。
この時の指導から学んだことをすべて盛り込んだ本が発売されました!
英語指導を通して、自分で人生を設計して豊かな人生を送る力を身に付ける指導とは!
本人のやる気確認と時間管理とレベルチェック
まずは本人のやる気を確認します。
私は基本、英検だけを目的とした指導はお受けしていません。
英検やその他の試験を目指すとしても、その先の目的がないのでは指導の効果が半分も得られないからです。
今回は本人がなりたい職業が決まり、それに向けて専門学校も決めていました。
それも英語力が大変重要になる職業でした。
専門学校に入学と同時に英検2級レベルの英語力があると良いとの説明を受け、今回の依頼に至ったとのこと。
本人が熱く語るその顔を見て、私もワクワクしたのですが。。。
いままでずっと英語が嫌いでろくに勉強してこなかったとのこと。
試しに英検3級の問題を渡してみましたが。。。
英検3級の問題を読むことすら難しいレベル。
音読は超カタカナ発音でリスニングはほとんど聞き取れない。
高校3年生の5月にこのレベルで、翌年の1月の試験で英検2級は普通に頑張る程度では無理だとハッキリ断言しましたね^^;
それでも専門学校入学までの約10ヶ月、英検2級を目指して頑張ることで英語力を底上げしよう!
私がそう言うと、生徒の目もキラキラと眩しいではありませんか!!
英検2級合格を目標に頑張ることで、英検2級レベルの英語力を身に着け、来年春からの専門学校での学びがより充実することが目的。
さらには、専門学校で学んだあと目的の職業に就くこと。
そのために頑張るのだという意識の確認と、目標の共有をしっかりとここで約束します。
最初の時間管理の指導
目的意識の確認とレベルチェックができたところで、時間管理に取り掛かります。
中学生や高校生の場合はほぼ同じ1週間の繰り返しなので、1週間の生活を全部書き出してみます。
具体的な時間管理の指導はこちらの記事をご覧ください。
書き終わったらそこに英語を学習する時間を書き込みます。
この時点では、学校から帰ってきて夕飯を済ませたら寝るまでの時間が丸っと空いていました。
毎日3~4時間は英語を勉強できる!
学校の勉強は学校で済ませるので家でやる必要はないとのこと。注:ほかの教科の成績は良好で基本お勉強ができる子です。
本当に毎日3時間勉強できたら、この子なら8か月後に2級合格は難しくないなと、この時点では思えました。
(まあ、後で何回も軌道修正することになるのですが)
本当にこれだけ頑張りとおしたら2級合格できるよ!とゴールも明確に見せてあげると、「はい!がんばります!」と元気な返事♪
ここまでが、レッスンを受ける前の面談でやることです。
●英語の学習時間の確保と約束
高校生が中学英語をやり直しながら英検2級を目指すための最適教材はこれ!
Z会速読速聴シリーズのBasic2400
速読速聴・英単語 Basic 2400 ver.3 (速読速聴・英単語シリーズ)
前半30%が中学パートになっていて、音声もゆっくりです。
このゆっくりの音声だけが気に入らないポイントでしたが、今回はこれでドンピシャでした。
学習者のレベルが3級も聞き取れないレベルでしたので。
大人のやり直し英語学習にも最適の1冊です!
後半パートは音声がナチュラルスピードで、内容も日常会話からニュース、エッセイ、物語や日記など多岐にわたっています。
この1冊に、英語を覚えて使えるようになるための状況に応じた会話表現や英語圏の文化も学べる、ギュッとたくさんの内容が凝縮されている!ここが1番のお気に入りポイントです。
この本をマルっと1冊、完全に暗唱できて、且つ全部書けるまで学習すれば、英検2級は満点合格できます!
学習の仕方は本の冒頭にも書いてあるので、その通りにやってもいいし、自分なりのやり方でやってもいいです。
2.暗唱したものを書ける
文法の解説にはこの本がおすすめ!
一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
高校生、大人の場合は疑問に思ったところをその都度解説します。
すでに聞きかじった文法知識がこんがらがって頭の中に点在しているのを、紐解いて整理するためです。
ただしこの本を1人で使うのはちょっと難しいですね。
ピンポイントで知りたいことが載っているページを開いて見せてあげるのが先生の仕事になります。
例文をたくさん見ることも効果があるのでスマホで検索する方法も教えます。
1人で読むのに適した文法の本はこちら。
カラー図解 トコトンていねいな英文法レッスン CD付き゠中学英語が短期間に復習できる参考書
中学英語の文法を一通りおさらいするには最適の一冊と言えます。
1回のレッスンで効果がハッキリ現れる発音指導
独学だと難しいのが、発音です。
自分で録音してチェックして、お手本と聴き比べて、というのがかなり難しい。
本にやり方は書いてあるけど、教材の音源と同じ発音とスピードで自分が言えているかどうか?
この部分の指導を的確に受けると、学習スピードが格段にアップします。
発音指導の手順
具体的には次の順序で指導します。
1、生徒のレベルのちょっと上の英語の音源を聞かせて、聞き取れないポイントをチェックする。
今回のケースだと英検3級レベルがちょっと難しいというのを最初の面談でチェック済みです。
Z会速読速聴Basic2200の最初のページを聞かせて、リピートしてもらいます。
生徒がリピートしたその様子から以下の3つの指導ポイントがわかります。
- 単語を知らなくて聞き取れず発音もできない
- リンキングや音の弱化のルールを知らないために聞き取れず、発音できない
- 知っている単語で聞き取れたがカタカナ発音しかできない
この3つのポイントを丁寧に指導します。
2、知らない単語は辞書やスマホで調べる方法を教える。
スマホを使い慣れた高校生でも、いざ英単語の意味を調べようとすると意外にパパっと検索できません。
辞書も、英英辞書をじっくり使わせたいところでしたが、今回はスピード重視で英和辞書と英英辞書を組み合わせて使ってみました。
和英辞書で日本語で意味を確認してから、必要に応じて英英辞書で英語の説明を読んでみるというようにします。
3、リンキングと音の弱化のルールを教えて記号を記入してもらう。
音がつながるところには円弧のマーク、消える音には括弧を付けます。
発音記号も重要箇所には書き入れていきます。同時に発音記号も指導。
4、実際の発音練習は、お手本を先生がやって見せて、真似してもらう。
先生がちゃんと発音できることが前提です。
お手本となるCDの音源は一通り聞いて、必要であれば練習しておきます。
CDの音源の中でも生徒が苦手とするであろう部分を強調してゆっくり発音して聞かせるテクニックも必要ですね。
5、生徒が真似できない理由を見つけ指導する。
- 単語を知らない(初めて聞く単語)
- 単語は知っているが正しい発音を知らない(発音できない)
- リンキングと消音部分が理解できず聞き取れない
それぞれの理由に合わせた指導をします。
6、先生と同じ音が出せるまで繰り返し練習する。
「はい!10回ね!」と言って、指を折りながら10回繰り返すと大抵発音できるようになります。
真似が難しい時は、口の開け方、舌の位置、口と舌のどこにどんな力を入れるといいか細かく指導します。
単語単位で一つ一つの音をクリアに出せるよう練習したら、音のつながり、消える音をやって見せて真似してもらう。
何十回も繰り返して、ナチュラルスピードで言えるようになるまで練習します。
こうして書くと、つまらない反復練習のようにも感じますが、実際のレッスンはかなり白熱した空気になります。
1回ごとに発音が変わって数分で見違えるほど綺麗な発音になるので生徒自身がびっくりするのです!
思わずハイタッチして、イエーイ!となるくらい!
1ページ数行の短い会話文ですが、全部ナチュラルスピードで、発音とイントネーション完璧に言えるようになってから、もう一度音源を聴くとまたビックリ!
すっごいはっきり聞き取れる!
生徒の超嬉しそうな顔がたまりません^^
「ええーーー!ウソみたいーー!聞こえるー!」と大はしゃぎです。
自分の口で発音できるようになった瞬間に聞き取れるようになるんですよ。
この第1回目のレッスンから帰った後、すぐにお母さんからメッセージが入りました。
「発音がめっちゃ綺麗になっててびっくりしました!すごいです!」
私も思わず「よっしゃ!」とガッツポーズの瞬間( ^ω^ )
ちなみに、小学1年生までに英語学習をスタートすれば、この発音指導と練習が必要ないので楽なんですね。
これだけはきっちり抑えたい学習順序
学習順序は書面にして渡して、きっちり理解してもらい、必ずこの順序でやるよう指導します。
以下は新しいページを学習するときの順序です。
1.音源を1回聞いて意味を理解(予想)する。何についての話か?
1行でも一言でもいいので意味が理解できたところを書いてみる。
2.音源を聞いて、聞こえたまま書く(ディクテーション)
音源は止めてもよい。何度聞いてもよい。
聞こえたまま書いてみる。どうしてもわからないところは空白にしておく。
行は1行開けて書くようにする。
3.テキストを見て答え合わせ。
赤で修正する。※消しゴムは使わない
4.何がどうして聞こえなかったか確認する。
音消え、音つながり、弱化、知らない単語、どの理由で聞こえなかったのか理解する。
5.意味が分からない単語にマーカーで線を引き、意味を辞書で調べる。
新しいページを学習するのにかかる時間は、そのページの難易度によっても生徒のペースによっても変わりますので、毎回のレッスンで確認して調整します。
最初から全て教えず自分で工夫する余地を与える
暗唱できるようになるまでの繰り返し練習の一番効率的なやり方は、初めから教えず、まずは生徒本人に委ねて様子を見ます。
ある程度自分なりに工夫して成果が出ていればそのまま見守ります。
時間はかけているのに成果が出ていないときは、以下のやり方を教えます。
新しいページの学習30分、既習ページを覚える作業5分刻みで、途中に書く練習も挟む。
長期記憶に定着させる学習の基本ルールですね!
学習した内容を忘れるタイミングでもう一度学習するというやり方です。
この生徒の場合は、はじめはいい感じで学習が進んでいたのが停滞してきた時期にこの方法を教えました。
効果は抜群で、次のレッスンではまたキラキラした眼で「先生!これすごい!超覚えられるー!」と喜んでいました。
初めからこのやり方を教えないことは重要です。
自分で工夫して学習するという機会を与えたいためです。
うまくいかないなあという経験も大切にしたいところです。
また、自分の力でこの方法を見つける子もいます。
何もかも教えてしまうのは、手っ取り早いですが、子ども自身の創意工夫する力を育てることにならないですね。
グッと堪えて見守ることも指導です。
レッスンの1番の要は宿題計画と時間管理
レッスンの1番の要は宿題計画と時間管理です。
指導済みの学習順序通りにテキストを進めてもらいますが、1ページどのくらい時間がかかるのか?
生徒本人に予想してもらいます。
最初は夜3時間の英語学習時間を取れるという予定でした。
1ページ1時間として、1日3ページ、次の週間後のレッスンまでには約20ページは進めるという計画を立てて、やる気満々で帰って行きました。
そして第2回目のレッスンで、何ができて何ができなかったかチェックします。
暗唱できるようになったページは、テキストの和訳だけを見ながら英語で言ってもらい、発音とスピードをチェックします。
どうしても聞き取れない部分は、最初と同じトレーニングをします。
2回目のレッスンからは、さらに発音の上達が早くなりますし、生徒自身も見る見る聞こえるようになり分かるようになるから、レッスンはますます盛り上がります♪
しかし、宿題計画はなかなか計画通りに行きません。(それが普通です)
20ページは進むと計画しましたが、実際やれたのは10ページほど。
学習順序も少し怪しいやり方になっていました。
学習順序を守らないと効率良く狙い通りの英語力が身に付かないので、ここは丁寧に何度も確認し指導します。
そして計画を見直します。
1日3時間できると思ったが、実際には部活から帰ってくると疲れ切っていて、1時間もできない日があったなど、やってみて実感したことから次の1週間の計画を立て直します。
この繰り返し指導については、こちらの記事を御覧ください。
自分で決めたという自覚とやるやらないの選択の責任
時間管理と宿題計画は、毎回生徒本人に書かせます。
書いたものを一緒に確認しながら、これをやり切ったらこのくらい成長するよ!頑張ろうね!と励ますのはもちろんですが、一番大事な声かけがあります。
これをぜったいやる!と自分で決心て取り掛かるのだということを言い聞かせます。
やればやっただけ成長する、やらなければ何も得られない、やるかやらないかは自分で選択できるんだよ!
さあ、どっちを選択する?
「やります!」
元気な返事にこちらも元気をもらえる瞬間。
この後数ヶ月、やり切った時の満足感と、やらなかった時の残念感を繰り返し味わいながら12月には英検準2級のリスニング問題がほとんど分かるようになった!と報告してくれました。
3級も聞き取れない、読むのも難しいところからの学習スタートで、準2級レベルが分かるようになった。
この変化は、体験した生徒本人にとっても、ものすごい変化です。
毎回のレッスンでも自分の成長を実感し嬉しそうな顔を見てきましたが、順2級レベルが分かるようになったと報告してきたときの本当に満足した笑顔はずっと忘れられませんね。
ここから2級までには結構大きな壁があるのですが。。。
同時にバイトにも時間を取られるようになり、部活は全国大会へ向けて練習が超ハードになり!
時間的にも体力的にも疲労困憊なところで、学習の勢いも下降⤵️
こんな時こそ、「やる、やらないは自分で決める」ということを強く言い聞かせます。
年末年始で家族の行事も友達との約束もてんこ盛り。
その中で自分の行動を選択するのは自分であり、選択した行動の結果を受け取るのも自分であるのだと、毎回レッスンの終わりに語りかけます。
毎回レッスンの初めには、この1週間宿題ができたかどうか確認することが、どんな行動選択したかの確認となり、その結果を確認し、そしてどんな気持ちになったかをじっくり感じてもらいます。
この繰り返しで、生徒の行動は確実に変化します。
やると決めたことをやり遂げて成果が出た時の爽快感!いい気分!満足感!これを味わいたいから頑張る意欲も湧くのです。
お母さんからも、「レッスンから帰ってくるといつもやる気いっぱいの顔に変わっているからびっくりします!」と言われるほどの効果!
まあ、そのやる気も2日目には忙しさに紛れて吹き飛んでしまうこともあります。
しかし、週に1日でも集中して計画通りに学習するということを続けることで、成果は出ます。
また、1日が2日、3日となり、自分で自分を律することができるようになっていきます。
英語力を伸ばしてあげることはもちろん、自分で自分の生活を律する、コントロールできるようになることも含めた指導がしたいのです。
自分で計画を立て、自分を律して行動できるようになったら卒業です。
100%できるようにならなくてもいいのです。
自分をコントロールして目標を達成する感覚を掴んだら、後は本当に頑張りたいときに頑張ることができますからね。
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